
事業承継をスムーズに進めていくためには、あらかじめ対策を打つ必要があります。
準備しておくべき対策には様々なものがありますが、今回は生命保険を活用した事業承継対策を3つ紹介いたします。
①財産評価対策 |
生命保険を活用することで、2つの意味で財産評価を圧縮することができます。
1つ目は保険料を支払うことで会社の利益を圧縮し自社株評価額を下げる効果です。
2つ目は、「死亡保険金」「死亡退職金」に適用される以下の非課税枠を活用することによって、財産評価額を下げる効果です。
500万円×法定相続人の数
=非課税限度額
預貯金としてだけではなく、一部の財産を生命保険として保有しておくことで、相続発生時に受け取る「死亡保険金」「死亡退職金」の一部または全部が非課税となり、財産評価額を下げることが可能です。
②遺産分割対策 |
相続財産の大半を占めるのが自社株と事業用財産です。事業承継では、自社株と事業用財産については後継者に引き継ぐことが理想とされています。
この場合、相続財産額に偏りが生じ、他の法定相続人には不公平感を感じさせる可能性があります。一歩間違えてしまうと、いわゆる『争続』に発展しかねません。
ここで生命保険を活用し、後継者から他の法定相続人に支払う代償交付金を準備するのです。
後継者から他の法定相続人に代償交付金を支払うことで相続財産額の偏りを解消し、円満な『相続』に導くことができます。
③納税資金対策 |
自社株や事業用財産は現金化しにくく、後継者の納税資金が不足する懸念があります。生命保険であれば、払い込んだ保険料よりも多額の保険金を受け取ることができます。
さらに、相続税の納付期限は被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内です。保険会社によって多少のばらつきはありますが、給付請求を行なってから通常7~10日ほどで生命保険金を受け取ることが可能です。
今回は、生命保険を活用した事業承継対策を紹介いたしましたが、実際には、それぞれの会社に合った多角的な対策を一緒に創り上げていく必要があります。
兵庫事業承継サポートでは、「財務」「労務」「税務」など各分野の専門家がトータルでサポートできる体制を整えております。お困りのことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
【執筆者】ファイナンシャルプランナー 江田元気
(一社)兵庫事業承継サポートとは
✅中小企業の事業承継支援を目的とした専門家(中小企業診断士・税理士・弁護士・司法書士・社会保険労務士・行政書士・ファイナンシャルプランナー等)集団です。
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