2025年6月2日
事業承継を行うためには

事業承継は、経営・資産・知的財産を後継者に引き継ぐ重要なプロセスです。現状分析、後継者選定と育成、承継計画の策定、組織体制の整備、実行とフォローが必要です。早期準備と専門家の活用が成功のカギとなります。

私自身も祖父が創業した会社の後継者として事業承継に取り組む中で得られた学びや気づきを共有します。

 

取り組んだ内容

まずは自社の置かれている状況を知るため、すべての従業員と面談することから始めました。

これにより、当社は高い技術と丁寧な対応によって顧客からの信頼が高い一方で、課題として社内業務に追われ顧客との接点を持つ時間を十分に取れていないことや、従業員のスキル格差により、対応できる業務に違いがあることがわかりました。

この課題への対策として、業務の流れを把握し、売上入力その他定型業務のルール・マニュアルを作成しました。これにより定型業務の簡素化を図り、一部業務を社外から行える環境整備を行いました。その結果、事務員への問い合わせ回数、残業時間を減らすことができました。

その他、従業員間のスキル格差をなくすため定期的な勉強会を企画・実施しています。

 

見えてきた課題

これらの取り組みを行った結果、様々な課題が見えてきました。

まず、面談を通じて今までコミュニケーションが足りていなかったことを痛感しました。会社の将来のことや今の業務で悩んでいること、会社への要望といった様々なことを聞く機会となりました。

この面談については、定期開催の要望もいただき、1回で終わるのではなく半年に1度の定期開催に決めました。また、いざ承継をしたときに従業員が自分についてきてくれるのか、不安を感じています。さらに、このような悩みを相談できる相手をつくることも課題であると認識しました。

加えて、会社の将来を考える中で、既存事業も売上が順調とは言えないため新たなビジネスモデルを構築することが求められていることを強く再認識しました。

 

取組と課題

取組1. 自社の外部環境・内部環境分析

取組2. 従業員との定期面談の実施

取組3. 業務の流れの把握、管理項目の簡素化

取組4. スキル向上のための勉強会の企画

◆  ◆  ◆

課題1. 従業員とのコミュニケーションを図る

課題2. 承継後、従業員が自分についてくるよう信頼関係を構築する

課題3. 悩みを相談できる相手をつくる。

課題4. 既存事業とは別のビジネスモデルを創出する必要がある

 

最後に

事業承継に向けた取り組みを通じ、自社の強みと課題を改めて認識しました。従業員との信頼関係を深め、新たな挑戦にも前向きに取り組むことで、会社の未来をより良いものにしていきたいと考えています。

【執筆者】中小企業診断士 作治大輝

 

(一社)兵庫事業承継サポートとは

✅中小企業の事業承継支援を目的とした専門家(中小企業診断士・税理士・弁護士・司法書士・社会保険労務士・行政書士・ファイナンシャルプランナー等)集団です。

✅事業承継の課題(株式移転・株価対策・資金対策・事業譲渡・後継者育成・知的資産の承継等)にワンストップで対応します。

✅上記支援と合わせて、事業承継に課題を抱える経営者向けセミナー・相談会、後継者塾の開催を行います。



一般社団法人兵庫事業承継サポート


どんなことでもお気軽に、お問い合わせ・ご相談ください。

メニューを閉じる