2024年9月2日
事業承継の課題であった生産性向上を達成した事例

兵庫事業承継サポートが、最近取り組んだ事業承継支援の事例をご紹介します。

今回ご紹介する事例は、神戸市で惣菜の製造と販売をおよそ50年営んでいる現経営者が、後継者(ご子息)に事業承継する際の課題として、

①現在の販売店舗兼製造場では主力商品Aの増産に対応しづらいため、新たな製造場で主力商品Aを製造すること

②現経営者が1人で主力商品Aの前工程を担当してきたが、複数の従業員で引き継ぎ、作業開始時刻を2時間程度遅らせても従来通りの販売時刻に間に合わせること

以上の2つがありました。

 

課題①【主力商品Aの製造場を新設する】

現在の販売店舗兼製造場から30mほどのところに、製造場のスペースに適した豆腐店があった場所(図1)があり、その場所の間取りを計測して「設備備品の配置図」と「作業の流れ図」を作成(図2)して提案しました。

<この結果>

現経営者と後継者の新製造場での設備備品の配置と作業イメージが共有化でき実現可能性が明確になりました。

 

課題②【主力商品Aの前工程を作業分担して生産性を向上させ従来通りの販売時刻に間に合わせる】

現状の1日の全作業を見える化し、現経営者と後継者と実現可能な製造方法を討議したところ、前工程を5人の作業に分担し、現状よりも作業開始時刻を2時間遅らせる案が検討できたため、まず現在の店舗兼製造場でテスト製造をして頂くことになりました。

<この結果>

作業開始を2時間遅らせてもほぼ以前と同じぐらいの時刻に製造が完了することが判り、現経営者と後継者もこれでできると判断されました。(図3)

図3 現状との比較(上段:現状、下段:改善後)

生産性向上の効果は、現状より2時間遅く作業を開始しても5時間で製造が完了し、作業時間▲2時間30分短縮(▲33%削減)できることになりました。

また、新設製造場で作業した場合では、作業スペースが広いため効率よく作業できることと、新たな投資による設備備品の活用により、さらに生産性が向上することが見込めます。

 

【執筆者行政書士・MBA 大橋忠司

 

一般社団法人兵庫事業承継サポートとは

✅中小企業の事業承継支援を目的とした専門家(中小企業診断士・税理士・弁護士・司法書士・社会保険労務士・行政書士・ファイナンシャルプランナー等)集団です。

✅事業承継の課題(株式移転・株価対策・資金対策・事業譲渡・後継者育成・知的資産の承継等)にワンストップで対応します。

✅上記支援と合わせて、事業承継に課題を抱える経営者向けセミナー・相談会、後継者塾の開催を行います。


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