2025年1月6日
事業承継における経営改善計画策定について

事業承継における経営改善計画策定について

事業承継は、中小企業の将来に関わる重要な課題です。特に、経営基盤が脆弱な状態で事業を引き継ぐと、企業の存続が危ぶまれることがあります。そのため、事業承継を機に経営改善計画を策定することは、事業の安定性と成長を確保するうえで重要です。

経営改善計画の策定によって金融機関に対する支援を取り付けるとともに、それによる業況改善の可能性と自社の取り組みを対外的に示すことで、安定した経営基盤の構築につながります。

 

1.経営改善計画の意義

事業承継時に経営改善計画を立てることは、次のような効果をもたらします。

①経営状況の可視化
経営の現状を分析し課題やリスクを明確にすることで、後継者が経営の全体像を把握できます。

②後継者への円滑な引き継ぎ
計画を通じて経営方針や課題解決策を整理し、後継者が安心して経営を開始できる環境を整えます。

③信頼関係の構築
金融機関や取引先に対して、改善計画を示すことで事業の安定性と成長性をアピールできます。

 

2.経営改善計画策定のプロセス

①現状分析
財務データや市場環境、組織体制を多角的に分析し、強みと弱みを明確にします。

②課題特定と目標設定
解決すべき課題を洗い出し、中長期的な視点で具体的な目標を設定します。

③改善策の策定
目標達成に向けた具体的なアクションプランを立案します。
(例)資金繰りの見直しや組織改革など

④モニタリングと調整
計画の進捗を定期的に確認し、必要に応じて修正する仕組みを構築します。

 

3.成功事例のポイント

後継者の早期育成や社員との連携強化、外部専門家のサポートが、計画実現のカギとなります。特に、後継者が計画段階から関与することで責任感が育まれ、円滑な承継が可能となります。

 

【まとめ】

業績や資金繰りが厳しい事業者にとって、事業承継の成功には経営改善計画が欠かせません。

課題を明確にし、継続的な改善を行うことで次世代のリーダーシップを支え、企業の持続的な成長を実現できます。計画的な取組が企業の未来を切り開く原動力につながります。

執筆者中小企業診断士・経営管理修士 山本淳

 

(一社)兵庫事業承継サポートとは

✅中小企業の事業承継支援を目的とした専門家(中小企業診断士・税理士・弁護士・司法書士・社会保険労務士・行政書士・ファイナンシャルプランナー等)集団です。

✅事業承継の課題(株式移転・株価対策・資金対策・事業譲渡・後継者育成・知的資産の承継等)にワンストップで対応します。

✅上記支援と合わせて、事業承継に課題を抱える経営者向けセミナー・相談会、後継者塾の開催を行います。


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