
2024年4月4日
星野佳路と考えるファミリービジネスの教科書今回は、親族承継に関する書籍をご紹介します。
「星野佳路と考えるファミリービジネスの教科書」編集:構成 小野田鶴 日経トップリーダー編集部
当法人は、弁護士・税理士・診断士等と、事業承継のトータルサポートに取り組んでいますが、親子間で事業承継を行うことの難しさと素晴らしさを実感しています。
(言いたいことを言い合えるのは素晴らしいことですが、そこまで言わなくても・・・と思うことがあります。)
この本を作った星野リゾート社長の星野佳路さんは、ご自身が軽井沢の老舗温泉旅館の4代目で、事業承継に苦労されたそうです。そこで他のファミリー企業がどうしているか関心を持ち、インタビューした内容が書かれています。(これから親族承継をされる方は、きっと参考になります。)
この本の中で、私は、次の箇所が特に「面白いなあ」と感じました。
同族企業を、4つのタイプに分けて、成績の良い順に並べると・・・・(これはファミリービジネスの世界的権威であるメトラフ教授が日本の上場企業1367社について1962年から2000年迄の業績データを取得し、統計解析した結果です。) 1位:創業者が経営する企業 2位:創業者と血のつながりのない親族、いわゆる婿養子が経営する企業 3位:創業者と血縁のある後継者 4位:サラリーマン経営者 婿養子が大健闘しています!! サラリーマン経営者より血縁経営者の方が上です!! |
上記の結果になりましたが、“ファミリー企業は、非ファミリー企業より、なぜ業績が良いのか?”
それについて、星野さんは、次のように分析しています。
ファミリー企業には、“30年に一度のビジネスモデル自動転換システムがビルドインされている”
ファミリー企業は、経営トップが安定しているので、目先の利益を追わなくて良い。非ファミリー企業は、数年毎にあまり歳の変わらない社長に交替するのと比べ、ファミリー企業は、一気に若返るので、経営革新が生じやすい。
という理論です。これから経営を引き継ぐ後継者にとって、勇気がでる話ですね!!