事業承継で時間が、かかることってなに?(見えない自社の強み「知的資産」の承継について)
このコラムを読まれている方には、既に事業承継に関して多くの知識を持っていらっしゃる方が多いと思います。これまで事業承継には5年から10年かかるので早く事業承継に取りかかる必要があると、ご記憶の方が多いのではないでしょうか。
しかし、最近の傾向を2023年版の中小企業白書で確認すると、5年以上かけて事業承継をしているケースは、親族内承継の場合でも29.9%と約3割程でそう多くないことが分かります。
白書によると親族内承継にかかった期間は、「準備期間がなかった」が、14.7%、「1年未満」が22.8%、「1年以上3年未満」が21.1%となっており、業界によってはこの傾向と異なることがあると思いますが、全体を通してみると親族内承継の58.6%が3年未満で事業承継しています。(図1)
次に白書によると、親族内承継で事業承継期間に時間をかけたことは「現場で働き、自社の技術やノウハウ、商習慣等を学んだ」が60.9%と最も多い結果となっています。(図2)
このような結果を見ますと、事業承継の期間は短くなっても「自社の技術やノウハウ、商習慣等」といった自社の見えない強みである「知的資産」を如何に短期間に承継させるかが課題となっています。
「知的資産」は、日々の業務で特別に意識せず取り組んでいるところにあって、経営者自身でも気づいていない場合や、はなから時間をかけて習得するものとしている場合があります。
しかし、「知的資産」を書き出し見える化すると、後継者に伝えやすく、後継者の習得期間を短縮することができ、事業承継における課題解決の1つになります。
「知的資産」の見える化は、経営者が気づかないところにもあるため、経営者自身が見える化に多くの時間をかけるよりも、事業承継の支援者と一緒に見える化することが効率的です。
私は支援者として、「知的資産」の見える化の経験を重ねていますので、これまでの経験を活かし皆様の事業承継のお役に立てればと思っております。
【執筆者】 事業承継アドバイザー・行政書士・MBA 大橋忠司
一般社団法人兵庫事業承継サポートは、3年以内の事業承継の実現をサポートします。 そこで時間がかかるのは、見えない会社の強み(例えば、技能・経験・人脈・経営理念・顧客・仕入先等)の承継と後継者・幹部社員の育成です。節税対策や株式移転対策等に加えて、これら時間のかかる問題を、いかに早く計画的に進めていくか? 当会は、様々な専門家が連携して、「短期的・戦略的・計画的」に事業承継のお手伝いを行います。 |