2024年5月20日
ニーズに焦点を置いた捉え直し米国の工場に赴任したA部長は、製品の一部に爪痕があるのを見つけ原因を調査していた矢先、最近雇用したB女史から、製品の仕分けの際、製品で爪が割れるので、配置転換の要望を受けました。
A部長は、製品の爪の原因が彼女の爪であることが分かり、爪をすぐに切るよう指示したところ、B女史は「爪を切れという権利がなぜあなたにあるの!」と反論しました。
その後は、感情的な争いに発展し…
A部長の世界観
「完璧な製品を出荷したい。爪を切るのは社員として当然の義務。」
×
B女史の世界観
「女性の爪は社会的地位のシンボル。爪をドレスアップして認められたい。」
「完璧な製品」と「爪のドレスアップ」は、相反しないので、ニーズに焦点をあてて手袋をはめることで解決できたかもしれませんが、世界観の違いの争いとなると譲り合うところはなくなります。
これを読んで、「そこまで社員に気を遣う必要があるの?」と感じる方がいるかもしれませんが、これは実際にアメリカであった話で、その後、会社は訴訟に敗れ多額の賠償金を支払うことになりました。
日本社会も今大きく変わろうとしています。「最近の若者はなってない!!」という世界観で捉えるよりも、“ニーズに焦点を置いた捉え直し”に意識を向ける必要があるかもしれません。
「人と組織を強くする交渉力」鈴木有香 から